人間と生活環境
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福岡県内の市町村別溺死の状況と生活環境との関係
大中 忠勝
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キーワード: 溺死, 死亡率, 福岡県, 生活環境
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2012 年 19 巻 1 号 p. 3-7

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抄録
家庭内事故は特に高齢者にとって大きな問題となっている。溺死は家庭内事故死の主な死因であり、福岡県は溺死死亡率がこの10年間、全国1位となっている。溺死死亡率は福岡県内の市町村で大きな違いが認められる。市町村間の死亡率の違いを、生活環境や住居状況との関係から検討した。福岡県内の生活環境調査、住宅状況調査が行われた49市町を、溺死死亡率の低死亡率群(16町村)、中死亡率群(17市町)、高死亡率群(16市町)を3群とする判別分析を行い、3群を判別する線形判別関数を求めた。溺死死亡率と関係が示唆された項目は、第3次産業就業率、平成8年以降に建築された住宅の比率、段差のない屋内を有する住宅の比率であり、溺死死亡率に住宅の状況が影響を与えていることが示唆された。
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© 2012 人間-生活環境系学会
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