人間と生活環境
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スキンケアコットンの異なる持ち方における上肢の筋負担と主観評価
彭 春栄下村 義弘池山 和幸勝浦 哲夫
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2012 年 19 巻 2 号 p. 69-74

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抄録
スキンケア用コットンの持ち方を「はさむ」、「つまむ」、「はめる」三つの姿勢に分けた。「はさむ」は手指を伸展させ、指と指の間にコットンをはさむ姿勢であり、「つまむ」は拇指とそれに対向する複数の指でコットンをつまむ姿勢であった。「はめる」は同様のコットンを二つに分け、輪のようにしたものに指を通す姿勢であった。本実験のタスクは化粧水を顔にコットンでなじませる動作であり、18プロセスから成っていた。被験者は30歳代の社会人女性20名であった。測定項目は主観評価と上肢の筋活動であった。その結果、「はさむ」と「つまむ」場合、指でコットンを押さえる必要があり、能動的に摩擦を使用して把持をすることから、スキンケア動作中の上肢の筋負担が大きくなり、主観的に使いにくく感じられた。対照的に「はめる」場合は指でコットンを押さえる必要がないため、スキンケア動作中の上肢の筋負担は小さくなり、使いやすく感じられた。主観評価と上肢筋活動の結果よりコットンを「はめる」持ち方はスキンケアにおいて適切な姿勢であることが明らかとなった。
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© 2012 人間-生活環境系学会
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