本研究の目的は,倉俣史朗の42のインテリアデザイン作品について,インテリア・シェルターの離隔性を分析することで,創造された空間のもつ浮遊性,消去性を明らかにすることを目的としている。原室内空間とインテリア・シェルターとの離隔性こついて,離隔理由である離隔要因,面の離れ方である空間的離隔性,インテリア・シェルターの床,壁,天井面のフォルム,パターン,マテリアル,照明についての空間的関係を読み取った。その結果,前期では,直線的空間の生成が多くあることが明らかとなった。後期作品では,曲線,曲面が出現し,インテリア・シェルターの多重性が増し,多様なフォルムと光の操作によって,各要素による中央での浮遊性と周囲の消去腫が形成され,空間の浮遊感を創成した。
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