人間と生活環境
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人体表面の温度点分布(第1報) : 冷点分布密度の部位差
李 旭子田村 照子
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1995 年 2 巻 1 号 p. 30-36

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抄録
人体表面における冷感覚の部位差に寄与する要因を明らかにする目的で,マッピング法を用いて,人体表面の冷点分布を測定した。被験者は9名,人工気候室は28±0.5℃に調整された。冷刺激負荷には,サンミ温覚計の先端部分を直径0.5mm,先端温度10±0.5℃に改良したものが用いられた。結果,(1)冷点密度は8〜23/cm^2に分布し,部位による差異が認められた。平均として顔面が最も高く,下腿では最も低い値が得られた。(2)冷点密度と冷感受性の相関は,手掌と足底を除くとr=0.7〜0.8と有意で,手掌足底以外の皮膚面では冷点密度は,冷感受性の大きな要因と考えられる。(3)同一部位,同一被験者について1時間間隔で測定した2つのマップの一致度により,冷点分布密度を評価する手法としてのマッピング法が信頼しうるものであることが明らかとなった。
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© 1995 人間-生活環境系学会
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