人体の休息姿勢と風向に着目し,人体の強制対流時における熱伝達率を明らかにすることが本研究の目的である。向かい風と追い風における人体の部位別の熱伝達率を人体を用いた実測によって明らかにした。人体の休息姿勢として投げ足位と椅座位姿勢を対象とした。人体の部位別の対流熱伝達率と放射熱伝達率を姿勢別と風向別に提案した。そして,人体の伝熱面積を組込んだ全身の対流熱伝達率の実験式と放射熱伝達率を姿勢別と風向別に提案した。向かい風の全身の対流熱伝達率は追い風の対流熱伝達よりも大きくなり,気流速度が強くなると差異が増加する傾向を得た。投げ足位姿勢と椅座位姿勢の人体の対流熱伝達率は性状が異なり,姿勢別に取り扱う必要があることを明らかにした。