2018 年 25 巻 2 号 p. 125-134
女子大生121名を対象に、味覚から連想した色と、味覚から色を連想した際にイメージをもたらした食べものについて、色相と明度、彩度の三属性の視点から調査し、味覚と色彩と食べものの相互的な関係性について検討した。各味覚から最も多く連想された色は、甘味は高明度のREDとRED PURPLEで、塩味は高明度のBLUEと無彩色(白)であった。酸味は高明度、高彩度のYELLOWで、苦味は低明度のGREENとYELLOW GREENであった。うま味は中明度のORANGEとYELLOWで、辛味は高彩度のREDであった。これらの色を連想する際にイメージをもたらした食べものは、例えば、甘味は桃やいちご、酸味はレモンであり、味覚から連想した色とイメージをもたらした食べものの色がつながった。さらに、食生活の変化が味覚と色彩との関係に影響を及ぼす可能性が示唆された。