2018 年 25 巻 2 号 p. 75-84
直交する鏡面を用い、熱源と面対称の位置に熱放射を収束させることによる局所暖房技術を提案した。この原理の確認と熱の収束効果の定量的評価のために、862×504mmのSPA(Square-pipe array)を想定したシミュレーションおよび実測を行った。解析および実測では、熱源、SPA、受熱面を500mm間隔で設置した。解析により、熱放射の平面的・立面的な収束を確認した。また、ピンポングローブ温度計を用いた測定では、SPA不使用時には最大で約0.3℃の温度上昇であったのに対し、SPA使用時には約1.0℃の温度上昇となり、SPAによる熱放射の収束効果を確認した。これらの解析および実測により、熱放射を収束させる効果を実証するとともに、収束の分布を確認し、局所暖房としての可能性を示した。