人間と生活環境
Online ISSN : 2433-2836
Print ISSN : 1340-7694
ISSN-L : 1340-7694
冬期における在宅高齢者の健康関連QOLと住環境要因との関連
西尾 幸一郎笹本 康太郎柴田 祥江松原 斎樹
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 26 巻 1 号 p. 19-26

詳細
抄録

本研究の目的は、冬期における高齢者の健康関連QOLと住環境要因との関連について、前期高齢者ならびに後期高齢者別に明らかにすることである。調査方法は、山口県東部に住む65歳以上の高齢者を対象としたアンケート調査である。その結果、後期高齢者では、住環境の満足度が健康関連QOLと少なからず関連していることが明らかになった。後期高齢者では、居間の日当たりや照明による室内の明るさなどの光環境に関する満足度が低いほど精神的な健康関連QOLは低く、室内の掃除や手入れのしやすさ、洗濯物の干しやすい場所があることなどのスペースに関する満足度が低いほど身体的な健康関連QOLは低いことが確認された。以上のような関連性は、後期高齢者においてのみ認められたことから、健康関連QOLの面でも、加齢変化に伴い、住環境の影響を受けやすくなることが示唆された。

著者関連情報
© 2019 人間-生活環境系学会
前の記事 次の記事
feedback
Top