2020 年 27 巻 1 号 p. 39-46
リビングに設置する室内植物が環境評価に及ぼす影響を不快な騒音の有無の水準別に調査した。その結果、音環境の快適性の評価に植物要因と音要因の交互作用が有意傾向にあり、室内植物が騒音による不快感を低減すると考えた。総合的快適性、視環境の快適性と音環境のうるささでは、いずれの項目も音要因の主効果が有意であり、音要因はうるささのみならず快適性にも影響を与えた。植物要因は、視環境の快適性に有意な影響を及ぼすことが確認された。室内空間の印象評価では、全項目で音要因と植物要因の交互作用が有意でなかったが、「落ち着く」、「好ましい」、「親しみやすさ」で植物要因の主効果が有意であり、室内植物を設置すると、より落ち着く、好ましい、親しみやすい、空間にできると判断した。「広い」を除く室内の印象8 項目では、音要因の主効果が有意で、今回の実験条件では、音要因が室内空間に対する印象に強く影響することがわかった。