病院食を載せた10トーンの赤色トレイの写真について、20~30代女性30名を対象に味覚やトレイの印象にどのような違いがみられるか調査した。味覚については、甘味はpaleやsoftトーン、酸味はbrightトーン、苦味はdark grayishトーン、辛味はdeepトーンで高く感じられ、色相赤は多様な味覚を連想させた。また、食の印象には明度と彩度の両方が関係した。因子分析により抽出された「食の安全性と雰囲気」、「食の魅力」、「食の楽しみ」の3因子を満たすトレイは、pale、soft、lightトーンの赤であった。これらは、病院で使用するトレイ色として推奨できることが認められた。これまでトレイ色として推奨されてきた他の色相について、異なるトーンにおいてどのような違いがみられるか検証することにより、病院食のトレイとして推奨できるトーンと推奨できないトーンを新たに提案できる可能性が示唆された。