人間と生活環境
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ドライバーの視点による夜間時の傘の視認性評価
-傘の色と反射テープ位置の違いに着目して-
小松 美和子松下 涼子庄山 茂子
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キーワード: 交通事故, 反射材, 夜間, , 視認性
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2023 年 30 巻 2 号 p. 83-90

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抄録

夜間の降雨時における歩行者の交通事故防止を目的に、4色(黒、紺、青、透明)の傘に、反射テープを「4か所」、「円周」、「放射状」に付けた3パターンと無地の視認性について検討した。夜間に傘を差した人をロービームで照射し、距離100mまでを10m間隔で撮影した144画像サンプルを女子学生 20名が評価した。「無地」の4色の傘の色を比較した結果、20~40m地点において、「青」の傘の視認性評価は、「黒」「紺」「透明」より有意に高かった(p<0.05)。しかし「青」の傘を使用した場合においても時速60kmで走行した場合、歩行者の発見が遅れる可能性が示唆された。反射テープを「円周」「放射状」に付けた傘の視認性評価は、「無地」「4か所」に付けた傘より有意に高かった(p<0.05)。傘を差した状態の視認性を高めるためには、反射テープを「放射状」、「円周」に付けたパターンが有効であることが確認された。

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© 2023 人間-生活環境系学会
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