人間と生活環境
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湿度変化が皮膚の外観に与える影響の定量評価
清水 健人高田 暁
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2025 年 32 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

本研究では室内の湿度変化に対する皮膚表面のミクロレベルの凹凸の変形による外観の変化性状を明らかにすることを目的とする。皮膚表面の顕微鏡画像とFourier変換を用いた画像解析により皮膚の肌理(きめ)の細かさ(250–500 µm)と複雑さ(40–80 µm)を定量評価するシステムを構築し、2つの指標のパラメータの同定のため、92名の被験者の皮膚の顕微鏡画像を撮影する被験者実験を行った。次に、気温を23℃に保った人工気候室において、湿度を中湿度、低湿度、高湿度(それぞれ平均、5.24, 3.75, 9.14 g/kg’)の順に変化させた環境に7名の被験者を曝露し、肌理と皮膚含水率の測定を行った。絶対湿度の低下とともに皮膚含水率が低下し、肌理の複雑さが増加した。今回の実験の範囲では、肌理の細かさについては湿度との有意な相関を示すには至らなかったが、皮膚含水率の変化に連動して皮膚の外観が変化しているという仮説と矛盾しない結果が得られた。

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© 人間-生活環境系学会
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