人間と生活環境
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灸による温熱刺激の熱工学的研究 : 続報 : 艾の燃焼特性に与える各影響因子の検討
呉 邵忠中村 昭夫森田 矢次郎
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キーワード: 灸療法, , 温熱刺激, 影響因子
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1998 年 6 巻 1 号 p. 33-39

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抄録
灸療法は,艾の燃焼によって人間に温熱刺激を与える伝統的な方法である。温熱刺激量は艾の燃焼の仕方,あるいは艾の燃焼温度特性によって大きく左右される。従来の艾の燃焼温度特性における研究では各影響因子(環境側の因子及び艾側の因子)を十分に注意してこなかったため,結論不十分のところがあると,思われる。本研究では,灸による温熱刺激の熱工学的研究の一環として,艾の燃焼温度特性に与える各影響因子を検討し,測定方法を工夫し,この特性と各影響因子の具体的な関係を調べた。主な結論を次に示す。 1) 艾の燃焼温度変化特性は艾の重さと密度に関係するほか,艾の寸法との関係もある。 2)環境温度,湿度と空気の流れは艾の燃焼温度変化特性に影響を及ぽす。 3) 灸が人間に与える温熱刺激の時間的変化特性を希望通りに実現しようとすると,燻焼前の艾の重さ,密度,寸法,形状を調整するだけでは不確実な結果しか期待できない。
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© 1998 人間-生活環境系学会
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