人間と生活環境
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集合住宅の24時間換気システムによる室内空気質改善効果
木村 洋小池 道広熊谷 一清
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2001 年 8 巻 1-2 号 p. 18-26

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抄録

近年,新しいタイプの建材や接着剤の使用,省エネルギーを目的とした住宅の高気密化により,ホルムアルデヒドやVOCなどの化学物質による室内空気汚染が社会的問題となっている。室内空気汚染の重要な要因は換気量と汚染物質の発生強度である。換気量が増加すれば,汚染物質濃度は低減し,汚染物質の発生強度が増加すれば濃度は上昇する。特に集合住宅は鉄筋コンクリートでできていることから,気密性が高く,換気量が減少する傾向にある。今回,集合住宅の室内空気質の改善を目的として,集合住宅用24時間換気システムを開発し,実験住戸にて換気量と改善効果の検討を行った。さらに実際の新築・既築住宅に設置し,改善効果の検証を行った。その結果,1)自然換気だけでは,住まい方や外風条件によっては換気量が不足すること,2)本24時間換気システムによって,適当な換気回数が得られ,ホルムアルデヒドやVOCも低減されることが確認された。

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© 2001 人間-生活環境系学会
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