抄録
日本の高度経済成長に伴う人口流入を満たすため、1950 年代以降、大量の集合住宅団地が建設された。
1975 年省エネ法の制定前に建設された住宅は 40 年以上経過しているため、再整備が現在の課題となっている。居
住者の多くが高齢化し、建物の熱的性能が低いことから、ヒートショック等の健康問題も課題とされる。本研究で
は居住者に大きな負担を掛けずに、高齢化に伴う住宅の健康に関わる問題を低減するため、文献等から簡易な断
熱改修方法を検討した上で、都市部郊外の典型的な長期経過団地の空き住戸 2 室を対象として、簡易な断熱改修
の冬季の温熱環境改善効果を実測により検証した。