抄録
妊娠初期の転倒は流産につながる。妊娠初期は悪阻が妊婦の生活に大きな影響をもたらす。
しかしながら、電車利用に際し妊娠初期は体型の変化が大きくないため妊婦と気づいてもらえず、
マタニティーマークを付けていても”優先席”を利用できないケースが多い。そこで、本研究は妊
娠週におけるつわりスケール、電車内での着座率と姿勢動揺を包括的に検討することを目的とし
た。被験者は、妊婦 2 名 (妊娠 14 週目〜妊娠 28 週目)とした。週に 1 回静止立位課題を行い、
出勤時の電車内での着座の有無、つわりのスケールを Visual Analog Scale for Time
course(VAST)法によって記録してもらった。妊娠初期の着座率は 37%でありつわりスケールに
も影響していた。出勤時に着座できないと姿勢動揺が大きくなる傾向になった。転倒防止だけで
なく、妊娠初期の QOL 向上のためにも電車内での優先席の在り方を検討すべきである。