主催: 人間-生活環境系学会
後援: 日本学術会議
会議名: 第43回人間-生活環境系シンポジウム
回次: 43
開催地: 北海道釧路市幸町 3-3 釧路市観光国際交流センター A ホール
開催日: 2019/11/30 - 2019/12/01
p. 199-202
著者は過去の人工気候室実験より、重篤な体温調節障害を持つ頸髄損傷者(以下頸損者)の至適温度範囲 を 25±2℃(但し 50%RH、着衣量 0.6clo)と求めた。しかし、室温 22℃での頸損者の体温調節反応は十分に明ら かになっていないため、それを把握することを目的とした人工気候室実験を行い、頸損者の至適温湿度範囲の下 限値について検討を行った。実験では 5 名の頸損者(39.6±9.2 歳、172.0±4.6cm、64.4±6.3kg)を室温 22℃(40, 50, 70%RH、着衣量 0.6clo)に各 90 分間曝露した。その結果、どの相対湿度でも頸損者の口腔温は実験開始後 20 分 からやや直線的に下降していた。従って、室温 22℃は相対湿度の高低(ビル管法で規定されている相対湿度の範 囲:40~70%RH)に関わらず、頸損者の至適温度から外れる可能性がある。現時点での下限値は室温 23℃50%RH と考えているが、今後、室温 23℃における相対湿度の違いの影響について検討を行う必要がある。