女子大学生 名を対象に、高齢者を擬似させる眼鏡を装着した状態(擬似高齢者群)と装着なしの状態(若 年者群)の 条件で、錠剤の色の判別実験を行った。被験者は、錠剤に見立てた直径 PP の円形色紙片と同じ色 を 色から選択した。 群に共通して判別しにくいのは、赤紫系統と青系統の色であった。特に、明度と彩度が 低いトーンの色の判別得点が低かった。 群に共通して判別しやすいのは、明度と彩度が高めのブライトトーンの 中から青系統を除いた色、明度が高く彩度が中程度のライトトーンの中から青系統と赤紫系統を除いた色であっ た。内服薬の飲み間違いを防ぐためには、ブライトトーンやライトトーンのいくつかの色相や無彩色の錠剤を組 み合わせることが有効であることが推察された。