抄録
本研究は、近畿地方の 5 か所のデイサービスにおいて、開放された空間と閉鎖された空間で行われ
ている音楽療法を調査した。そして、高齢者の音楽療法の声の音量やリズム感など音楽に対する反応につ
いて観察し、3 段階で得点化した。また音楽療法後の高齢者の生活の変化を施設職員に質問紙により調査し、
そのデータを男女、介護度、年齢別に分析検討した。その調査から、音楽の反応は男女別では女性、介護
度別は要介護 1・2、年代別では 80 代が高く、アンケート調査は 80 代の得点が高くなった。さらに閉鎖さ
れた空間より開放された空間で音楽療法を行う方が得点は高く、音楽療法士が指導している施設より、元
中学音楽教員が指導している施設の方が、平均得点が高いことが示唆された。