抄録
本研究では、5種類のにおい成分からなる介護環境の模擬臭(硫化水素、メチルメルカプタン、イソ吉草酸、n-吉草酸、アセトアルデヒド)を室内の臭気基準値以上の濃度に調整し、どの成分を除去すると質が改善されるのか、成分構成を変化させて確認を行った。パネル選定試験に合格した10名をパネルとして採用した。試料は模擬臭、模擬臭から1物質を除き4物質で作成した5試料、3物質で作成した10試料、2物質で作成した1試料、1物質で作成した5試料の計22試料とした。パネルに臭気強度、快・不快度、容認性、対策の要否などを評価させた。実験の結果、介護環境臭の不快を感じさせる原因成分は、イソ吉草酸とn-吉草酸である可能性が示された。