抄録
本研究は日傘の大きさがUTCI低減効果に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。実測には、親骨の長さが50cm、60cm、70cmの大きさの異なる3つの日傘を用いた。本報では黒日傘の結果を報告する。晴天において、日向のMRTは70℃を越えたが、日傘により日陰となる位置のMRTは約50℃であった。地上0.6mおよび1.1mでは、大きい日傘ほど日傘下が日陰になる時間が長くなり、平均MRTは低くなった。一方、日傘直下では日傘の大きさに依らずMRTは約49℃となり、日向よりも約19℃低くなった。日傘下のUTCIは、地上0.6mおよび1.1mでは、MRTを反映して、大きい日傘ほどUTCIは低くなった。一方、日傘直下のUTCIは日傘の大きさに依存せず、平均UTCIは39.2℃であり、日向よりも3.3℃低くなった。