抄録
ガラスに対する人間の温熱感度をより精度良く反映する新しい指標「暑熱感指数(HSI)」を提案する。この指標は、ガラスの外表面に到達する日射量に対し、ガラスの分光透過率および再放射特性と、人間の皮膚の分光透過率および吸収特性の両方を考慮し、各波長帯放射に対し温度受容器(温点)で生じる感覚量から算出される。HSIを検証するため、人工気候室で様々な種類のガラスを使用した実車実験を実施した。その結果、ガラスの熱性能を評価する従来の指標である総日射透過率Ttsより、HSIが被験者の温熱感覚との相関が高いことが示された。