抄録
温冷感覚は、日常生活において曝露される温冷刺激の影響を受けて形成されると考えられる。そのため、温冷覚を知覚し始める温度や温冷覚を不快と知覚する温度には個人差が生じて、暑がり寒がりのような主観的な体質の認識に差異が生じると考えられる。そのため、関西または沖縄または北海道で生まれ育った被験者の温冷感覚の差異を把握してきた。しかし、北海道内の地域の気候の差異の影響の有無を確認するために、被験者実験を追加することとした。その結果、温冷覚の知覚開始温度差(閾値)と温冷覚の不快知覚温度差については、北海道内の地域の気候の差異や、暑がりまたは寒がりの自覚の有無の違いによる差異が見られた。