抄録
血液製剤には,輸血用血液製剤である全血製剤,赤血球製剤,血漿製剤,血小板製剤と,血漿分画製剤であるアルブミン製剤,免疫グロブリン製剤,凝固因子製剤などがあり,医療機関への供給は,血液法と医薬品医療機器等法に基づいて行われている。輸血用血液製剤の使用量は増加傾向にあったが,2013 年以後は横ばいまたは減少傾向にある。過半が悪性新生物と血液疾患の治療に使用され,約 85%が 50 歳以上の患者に使用されている。
2016 年,輸血副作用・感染症の疑いで 1577 件が医療機関から血液センターに報告され,大半が非溶血性副作用であった。血液製剤の安全性向上のため,献血時の本人確認,問診・検診,献血血液の検査,白血球除去,放射線照射,外観確認,貯留保管,遡及調査などの対策がとられている。
2016 年度の献血者数は 483 万人であった。若年者の献血者数が減少しており,将来の国内自給の維持に向け課題と考えられている。