日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
Print ISSN : 2185-8136
症例報告
特徴的顔貌より診断し得た傍椎体病変を伴ったIgG4関連疾患の一例
濱 典男
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2018 年 14 巻 6 号 p. 570-574

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抄録
胸部CTで傍椎体の軟部腫瘤が偶発的に見つかり経過観察していた。その後に特徴的な顔貌によりミクリッツ病が疑われ,顎下腺の生検を施行し病理組織よりIgG4関連疾患と診断した。傍椎体の病変に加え左腎外側にも軟 部組織病変を認め,これらはIgG4関連疾患による一連の病変が疑われ,ステロイド治療を開始した。ステロイド治療後,涙腺,唾液線,顎下線,傍椎体,左腎外側の病変は縮小した。IgG4関連疾患は様々な臓器の腫大や線維化をきたすが,傍椎体病変は今まで報告例は少ない。今回特徴的な顔貌からミクリッツ病を疑うことで,傍椎体病変はIgG4関連疾患によるものと診断できた。
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© 2018 日本病院総合診療医学会
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