日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
Print ISSN : 2185-8136
原著
総合診療における Point-of Care Ultrasound の活用
島田 恵後藤 英里子小澤 秀樹
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キーワード: POCUS, 総合診療, 外来対応
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2022 年 18 巻 6 号 p. 399-406

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抄録
【背景,目的】超音波検査は機器の小型化が進み,救急医療や集中治療,在宅医療などで Point-of Care Ultrasound(POCUS)が活用されている。 本研究では総合診療の外来における POCUS活用実態を明らかにする事を目的とした。 【方法,結果】対象は総合内科外来を受診して POCUS を施行した99例である。検査施行目的は,心機能評価が72,腹部臓器評価 14,感染源精査9,大動脈評価3,血栓評価2 例,などであった。評価項目は,心血管系は左室収縮機能や重大な弁膜症の有無,感染性心内膜炎の評価など,それ以外では腎結石や水腎症,胆嚢,虫垂炎の評価などで,全99例中31例(31.3%) が緊急入院となった。なお,他の画像検査を追 加施行したのは検査室エコーが20,CT46,MRI5例であった。【結論】POCUS は,外来診療で通常の身体診察 の延長として即座に施行でき,簡便に全身評価が可能である点で有用性が高く,総合診療での活用を拡げていく必要があると結論した。
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© 2022 日本病院総合診療医学会
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