日本病院総合診療医学会雑誌
Online ISSN : 2758-7878
Print ISSN : 2185-8136
原著
総合診療内科におけるリンパ節生体 16 例の検討
中谷 信一鳥飼 圭人廣瀬 雅宣酒井 翼山﨑 行敬稲村 祥代根本 隆章小林 秀俊西迫 尚川田 剛裕中川 禎介干川 晶弘松田 隆秀
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2013 年 4 巻 2 号 p. 29-35

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抄録
今後のリンパ節腫脹例の診療に役立てるために,リンパ節生検施行例を再検討した。 対象は総合診療内科で 3 年間にリンパ節生検を実施した 16 例である。 内訳は悪性リンパ腫 10 例,adult T-cell leukemia/lymphoma 1 例,癌リンパ節転移 2 例,Still病 1 例,菊池病 2 例であった。 リンパ節腫脹 4 領域以上の 8 例はすべて悪性,うち 5 例が死亡例であった。 4 領域以上のリンパ節腫脹は予後不良因子といえる。 摘出リンパ節の容積平均は 1678. 8mm3,うち診断困難であった 3 例はいずれも 400 mm3未満で,Hodgkinリンパ腫,angioimmunoblastic T-cell lymphomaが含まれた。 リンパ節内で腫瘍細胞が散在し部分的に増生することがあるため,生検材料の大きさは重要で,病理診断には生検材料400mm3以上の大きさが望ましいと考えた。 工コーを施行された 12 例での正診率は 91.7 %であった。 良性・悪性の鑑別にリンパ節工コーが有用であった。
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© 2013 日本病院総合診療医学会
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