日本医療マネジメント学会雑誌
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原著
前立腺全摘除術のクリティカルパス使用・周術期管理項目の設定と施設要因との関連
岡村 菊夫長谷川 友紀野尻 佳克
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2009 年 10 巻 2 号 p. 379-385

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抄録
 全国1,213の日本泌尿器科学会教育施設に対して行った前立腺全摘除術周術期管理に関するアンケート調査(回収率60%)をもとに施設背景因子とクリティカルパス使用率、周術期管理各種設定との関連を検討した。クリティカルパス使用率は中国四国地方、病床数が401床以上、泌尿器科医師数3人以上、泌尿器科病床数が31床以上の病院で高く、 年間前立腺全摘除術件数が多くなるほど高くなり、逆に泌尿器科病床が10以下の病院、オーダリングシステムも電子カルテも導入していない病院、ICU・麻酔科のない病院で低かった。多変量ロジスティック回帰分析では、地域(東海北陸、中国四国)、設立母体(大学病院)、泌尿器科医師数(7人以上)、年間前立腺全摘除術件数(11-20件、20件以上)、電子化(なし)、ICU(あり)の6つの要因が使用率と関連していた。クリティカルパス使用施設において、歩行・食事開始までの期間、注射用抗菌薬投与期間、内服抗菌薬投与期間、ドレーン抜去・尿道留置カテーテル抜去までの期間、術後退院までの期間が統計学的には有意に短く設定されていたが、ばらつきは大きかった。多変量回帰分析では、地域や泌尿器科医師数、年間前立腺全摘除術件数が10の周術期管理設定の大半に影響を与えていた。これらの壁を乗り越えて全国的な前立腺全摘除術周術期管理の標準化を図るためには、各施設で独自に開発したクリティカルパスを使用するだけでは難しいと考えられた。
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© 2009 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
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