2012 年 12 巻 4 号 p. 221-224
近年、医療機関の機能分化が進められ急性期病院の在院日数短縮の流れは加速しており、地域の医療、介護、福祉などの多機関多職種が連携し患者が円滑に在宅医療に移行するためのシステム作りが課題となっている。急性期病院では退院後の患者の生活をイメージできないまま医療や看護が行われ、退院支援・退院調整の必要な入院患者の特定が出来なかったり遅れたりする状況があり対策の必要性があった。
今回、医師や看護師およびコメディカル等に退院後の患者家族の様子をフィードバックし、訪問診療医や訪問看護師等と意見交換する場としての退院後フィードバックカンファレンスを試みた。2009年度に2回開催したところ各回40名前後の参加があり、院外からは訪問診療医と訪問看護師およびケアマネジャーが参加した。診療科の特徴的な退院支援・退院調整事例を取り上げ退院後の様子を画像で伝えるなど、急性期病院の職員が患者の退院後の生活に関心を持ち理解しやすいように工夫した。その結果、急性期病院職員が退院後の患者家族の様子を知る機会となり、訪問診療医や訪問看護師等との相互理解や信頼関係構築に役に立つという結果を得ることができた。