2015 年 16 巻 1 号 p. 42-47
大規模病院を中心に普及しつつある電子カルテは、急性期病院における業務の効率化に貢献するツールと考えられているが、看護においては、電子カルテ導入の結果、新たに発生する事務作業の増大により、直接ケアに十分な時間が確保できないとの指摘もある。そこで我々は、看護業務の課題を抽出するために看護業務の中で最も標準的で共通性が高いと考えられる入院時業務内容を29に類型化しその所要時間を分析した。その結果総所要平均時間は222.5±84.67分と長く標準偏差が大きいことが明らかとなった。その中でも最も所要時間が長いのは看護記録関連業務であった。今後急性期病院は電子カルテ運用が主流となることが予想されるため、電子カルテを前提とした業務の共通化、標準化と看護記録の効率化が看護業務時間を短縮する上で有効と考えられる。