「在宅医療へ移行可能な入院しているがん患者の割合」を以下の手順で推定した。
先行研究を参考にして、「入院しているがん患者の在宅医療が可能となるための条件」を1 )介護者の条件として、主介護者が女性で、かつ同居、2 )予後の条件として、がん診断から死亡までの期間が2ヶ月以上、3 )疼痛コントロールの条件として、疼痛コントロール良好、と仮定した。この条件と調査データを照合し、その結果と条件の内容を評価した。
349症例中、介護者の条件を満たすものは157症例(45.0%)、予後条件を満たすものは281症例(80.5%)で、両条件を満たすものは131症例(37.5%)であった。
介護者と予後条件を満たす131症例のうち、「疼痛コントロール良好」と判断したのは72症例で、半数以上がコントロール良好であった。3条件を全て満たす72症例(20.6%)を「在宅医療へ移行可能な入院しているがん患者」とした。
「在宅医療へ移行可能な入院しているがん患者」の割合が20.6%という推定値は、条件仮定の際に、「介護者の条件」「予後の条件」「疼痛コントロールの条件」のみを選択して上記3条件としたこと、また、疼痛コントロールを分析する際に「在院日数」や「患者の意識レベル」を考慮しなかったことなどの理由から、やや高い割合になっており、実際には、「在宅医療へ移行可能な入院しているがん患者の割合は20%より低い」と判断した。
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