2016 年 16 巻 4 号 p. 190-193
岩手県立釜石病院は2011年の東日本大震災における被災地の釜石市にあり、釜石医療圏では唯一の地域中核病院で272床を有する。震災の影響もあり釜石医療圏はもとより、当院でも医師不足は以前より深刻化している。2014年12月現在、常勤医は18名である。岩手県医療局では被災地支援の志のある定年退職後の医師(以下、シニアドクターと通称)の募集を行い採用に成功し、当院での勤務を斡旋した。その結果、2012年から放射線科治療医、2013年から麻酔科医、2014年から放射線科読影医、産婦人科医の合計4人が着任した。いずれの医師もそれまで勤務していた病院での定年を迎え、第2の人生として、献身的に勤務している。各医師の勤務により当院の診療機能は向上し、その実績から、岩手県医療局では2015年4月以降の制度としてシニアドクターについて、3年間にわたり正規職員待遇で雇用できる任期付職員採用制度を東北地方で初めて導入した。今回は、その4人のシニアドクターの勤務状況について報告する。