2016 年 17 巻 1 号 p. 28-32
急性期病院では、入院患者の早期回復と退院後の日常生活適応を促進する診療体制の確立が急務である。本研究は、周術期患者に必要な看護業務のうち、既に病棟から外来に移行している業務と外来への移行が望ましいと考える業務を明らかにし、業務を外来に移行したことで患者に与えた変化を、患者を受け入れる病棟看護師の立場から明らかにした。
方法は、南関東の274施設の周術期病棟の看護管理者に対して無記名式質問調査を実施した。結果、〔入院・手術前準備に関する確認・指導〕は外来で実施することが望ましいと捉えられており、既に外来への移行も実施されていた。一方、〔患者の基本情報の確認〕2項目、〔手術当日・術後回復期に関する説明・指導〕7項目、〔退院後の生活に関する確認・指導〕10項目は、病棟から外来へ移行している業務と外来で実施することが望ましいと考える業務を合わせても半数に満たなかった。患者自身が主体的に行動し手術後の生活変化に適応できるよう、患者が周術期に直面する課題を明確にして、外来・病棟・在宅支援部門が連携して支援する体制作りが求められているといえる。