日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
国立病院機構横浜医療センターにおける中心静脈カテーテル登録医制度の導入と効果
網代 洋一鈴木 大輔西村 祥一望月 聡之深瀬 史江塩田 志乃恵菊地 龍明宇治原 誠
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2018 年 18 巻 4 号 p. 217-222

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抄録

 国立病院機構横浜医療センターは2012年より医療安全全国共同行動 “いのちをまもるパートナーズ” に参加、「中心静脈カテーテル(CVC)穿刺挿入手技に関する安全指針の順守(行動目標3b)」に公式に参加登録した。CVC委員会を麻酔科・循環器科・消化器科・救命救急科・医療安全管理係長、感染管理認定看護師、病院事務で設立した。委員全医師が病院機能評価機構認定病院患者安全推進協議会主催のCVC研修会に参加して医療安全への意識を共有、CVC登録医制度、教育・穿刺環境整備、実施記録作成を行った。2013年度の運用開始にあたり、病院全職員対象に「CVC医療事故の実体験に基づく医療安全」講演により全職員の医療安全への意識を高めた。CVC登録医制度は順調に導入、実施記録により年間総件数、成功率、合併症発生率などの実施状況把握が可能となった。実施記録の検証に基づく介入により、同意書取得率が有意に改善した。

 CVC 登録医制度の導入において、CVC 医療安全の意識の共有が順調な制度導入の上で重要である。実施記録とその定期的検証は、より安全なCVCシステムの樹立・運用に有用である。

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