日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
適正な持参薬運用の体制構築によるコスト削減
電子カルテに連携する持参薬システムがない環境での多職種連携
高橋 由紀井上 直也
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2019 年 20 巻 3 号 p. 114-118

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抄録

 2014年度の診療報酬改定において、DPC制度における持参薬使用が厳格化された。すなわち、予定入院患者に対し入院契機となった傷病(以下、入院契機病名)を治療する目的での持参薬の使用が原則禁止された。さらに2016年度改定では、2016年10月分からDPC入院EF統合ファイル(以下、EFファイル)への持参薬使用実績の出力が必須となった。

 社会医療法人石川記念会HITO病院では、電子カルテに連携する持参薬鑑別システムが未導入のため、EFファイルへのデータ出力や検証が困難と考えられたが、多職種で連携することで2016年10月以降も入院契機病名以外の治療に用いる持参薬を中止することなく使用できる体制を築くことができた。検証によって、入院契機病名への持参薬使用が少数見られたが、入院契機病名以外の治療に用いる持参薬を使用できたことで、コスト削減につながり、病院経営にも貢献できた。

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