日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
ナイトフロートシステムの導入による初期研修医の労働時間の適正化の検討
城内 優子永井 友基成田 吉明星 哲哉
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2020 年 21 巻 3 号 p. 159-163

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抄録

 初期研修医の労働時間の多さや日当直後からの日勤の連続労働に対する策の一つとして欧米諸国で導入されているナイトフロート(以下NF)システムが、2017年度手稲渓仁会病院(以下当院)において日本ではじめて導入された。NFシステム導入により、当院の総合内科(以下GIM)をローテーションしている初期研修医およびNFチームの労働時間が改善されたかどうかを検討することを目的とし、2016年度および2017年度の1、2年目初期研修医を対象として後方視的にカルテのアクセスログより労働時間を調べた。主要評価項目を1週間の平均労働時間(GIM研修医、NFチーム)、副次評価項目を32時間以上連続労働回数および60時間/週を超える割合とし、NFシステム導入前後で比較した。週労働時間の中央値は2016年度GIM研修医(以下2016年度GIM)で86時間56分、2017年度GIM研修医(以下2017年度 GIM)では86時間47分であった(p=0.2)。NFチームでは58時間10分と有意に減少していた(p<0.001)。32時間を超える連続労働回数の平均値は2016年度と比較して2017年度では有意に減少を認めた(p<0.001)。NFチームでは32時間を超える連続労働はなかった。60時間/週を超える割合は2016年度GIM、2017年度GIMと比較してNFチームで有意に減少していた。結果的にNFチームではGIM研修医と比較して労働時間の改善を認めた。また、NFシステムの導入により、研修医の32時間以上の連続労働の回数や週60時間以上労働の割合は減少し、全体的に研修医の労働環境の改善につながっていると考えられた。

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