日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
CS分析の手法を用いた診療所の優位性と問題点
伊藤 敦
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 22 巻 1 号 p. 38-44

詳細
抄録

 低費用で良質な医療提供の実現に向けて、日本のプライマリ・ケアの価値が問われている。プライマリ・ケアの価値を高めるためには、顧客志向の観点から優位性を伸ばし、問題点を是正することが必要である。そこで、診療所の優位性と問題点を解明するために、インターネット調査会社に登録する全国のモニタ2000人を対象に満足度調査とCS分析を実施した。まず、優位性に相当する重要維持項目を分析すると「かかりつけ医機能」と「検査機器・医療設備」が抽出された。次に、問題点については即改善項目として「総合診療」に続いて「診療の効率性」、要改善項目として「第三者評価による品質保証」「情報開示・情報提供」「在宅医療の整備」が該当していた。以上のことを踏まえると、日本の診療所の優位性は、かかりつけ医機能と医療機器の整備が充実していることであり、問題点は総合的診療が脆弱であることに加えて、診療の効率性が低いことであると言える。それゆえ、前者二つの機能を優位性として強化するとともに総合的診療の問題を早急に改善し、さらには効率性における問題を可能な限り改善させることによって、プライマリ・ケア全体の価値を向上させていくことが求められる。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事
feedback
Top