医療マネジメント学会雑誌
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総合病院のブランドを高める戦略と戦術
橋口 和生真野 俊樹上野 信三織畑 基一太田 博明
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2003 年 4 巻 3 号 p. 457-464

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抄録

病院のサービスは一般的なサービスと何ら変わりがないことを認識し、商品やサービスのブランド構築やサービスマーケティングと同様の戦略、戦術を構築する必要がある。
医療の世界ではこのブランドに対する認識は極めて薄いのが現状であり、ブランド構築をより早く、確実に行えば、競合病院に大きく差をつけることが容易である。そのためには、この分野で先進的な他業種の方法を取り入れるべきである。
ここでは、いくつかの他業種の書籍や文献を参考に総合病院ブランド論を展開した。特に病院のブランド構築を考えるにあたり、戦略に関しては「統合型マーケティング戦略 (Driving BrandValue) 」 (トム・ダンカン、サンドラ・モリアルティ著、1997年) を利用して、また戦術に関しては「ブランド戦略シナリオ」 (阿久津聡、石田茂著、2002年) を基本にした。そして、以下の病院ブランド構築の方法が導き出された。
すなわち、病院のブランドは地域限定型のものであること、患者と同様に、地域住民や医療従事者も病院にとつて大切な存在であることを認識する。そして、病院の理念を明確な方針にして、この理念を人々が抱く病院への思いに双方向のコミュニケーションによって結びつける。これらにより、病院はブランドを高めることができる。

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