日本医療マネジメント学会雑誌
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インスリン治療の安全性向上のための取り組み
インスリンスライディングスケールの標準化
内田 祝子平井 完史小川 晋庄子 由美梅澤 昭子上原 鳴夫
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2006 年 7 巻 2 号 p. 329-334

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抄録

糖尿病患者の増加に伴い、医療従事者がインスリンを使用する機会が増えている。入院中の多様な状況に対してインスリンスライディングスケールが使用されることも多いが、その指示は医師により多種多様であり、インシデント発生原因となりうる可能性が指摘されている。東北大学病院では平成14年にインスリン治療の安全管理を目的とする医師・看護師・薬剤師からなる合同プロジェクトチームを結成し、PDSAサイクルの手法を用いて活動を行った。活動の一つとして病院全体でのインスリンスライディングスケールの標準化を行った。平成17年2月のアンケート調査では標準化インスリンスライディングスケールにより医師・看護師の作業効率が向上したこと、標準化指示が病院内で幅広く使用されていることが示された。本活動を継続することにより、インスリン関連のインシデントの低減、インスリン治療の安全性向上が期待される。

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