日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
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糖尿病地域連携クリティカルパスの試み
松島 照彦
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2007 年 7 巻 4 号 p. 536-541

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抄録

糖尿病は長期にわたる疾患であり、診療の地域連携においては臨床データだけではなく、診療の基本方針や患者の生活情報なども共有する必要がある。この度、これらの情報を共有しうる地域連携クリティカルパスを作成した。時系列外にコントロール目標、行動目標薬物選択などを記載し、時系列表には、臨床データ、治療・指導内容に加え、生活改善の評価を記入するフォーマットとした。生活改善としての食事療法、運動療法は糖尿病治療の基本であり、またこれに向けての行動変容と実行は教育指導の目標、成果でもある。糖尿病診療のクリティカルパスにおいて設定、評価し共有すべきアウトカムとしては、QOLの維持、合併症の抑制を始め、コントロール状態、生活改善の状況、行動心理状態も重要な要素であり階層構造をなして相互に関連していると考えられる。数例においてクリティカルパスの適用を試みたところ、患者と連携医の受け入れは良好であった。今後、症例を増やし有用性を検討したい。

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