日本医療マネジメント学会雑誌
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外来と入院で病院への満足度に最も影響する項目は何か、変数選択重回帰分析による検討
徳永 誠
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2007 年 8 巻 2 号 p. 365-368

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抄録

患者満足度調査では、満足度の平均点だけを問題にするのではなく、病院への総合満足度に直結した項目は何かを明らかにする必要がある。そのため外来患者134例、入院患者165例を対象として、満足度調査の8項目が総合満足度にどの程度影響しているのかについて変数選択重回帰分析による検討を行った。その結果、外来では、外来待ち時間、プライバシーへの配慮、看護師の応対の順に、入院では、医師の応対、病室の清潔、ベッドの快適性、食事の味の順に回帰係数が大きく、総合満足度への影響が大きいと考えられた。外来と入院を合わせた中では、外来待ち時間が、回帰係数が最も高値で満足度が最も低く、早急な対応を必要とする項目と考えられた。患者満足度は病院経営に直結するという意識を持ち、問題点が明らかとなるような患者満足度調査を行う必要がある。

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