日本におけるクリティカルパスの普及状況を調べるために、2003年から毎年3月に200床以上の病院を対象にアンケートを郵送し回収した。対象病院は約2,000病院で当初の回収率は20%前後であったが後半になると40%を越え、信頼性の高い結果を得た。
導入率は5年間で約10%上昇し、2007年には92%にまでなった。病床規模の大きい病院ほど導入率は高い傾向をみた。クリティカルパスの種類は約半数の病院で50種類以上を使用し、200種類以上所有している病院も27病院 (3%) あった。
クリティカルパス委員会の開催、作成基準の作成は大半の病院で行われていたが、クリティカルパス研究発表会は約半数の病院で実施されている状況であった。
地域連携クリティカルパスは大きな関心を持たれ、急速に普及しつつある。
日本医療マネジメント学会が医療情報システム開発センターと共同で運営しているクリティカルパス・ライブラリーの認知度は50%に達したが、そのうちの1/3病院が利用しているにとどまっていることがわかった。今後の取り組みを更に強化する必要がある。これからIT化の進むなか、電子化社会におけるクリティカルパス、地域連携クリティカルパスの活用が注目されてくるであろう。
抄録全体を表示