日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
医療安全研修
受講者の研究結果からみた今後の展望
石川 雅彦種田 憲一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 9 巻 2 号 p. 327-331

詳細
抄録

国立保健医療科学院における、医療安全研修の長期コース「安全管理研究科」は、医療安全の基本的・専門的知識と技術を身につける、約6ヶ月に渡る長期研修である。本研修は、例年10月に開講し、安全管理、危機管理、質管理の講義・演習が12月下旬まで実施される。また、この期間内に、1週間自院に戻って、学習した内容を実践し、また科学院に帰ってきて、その結果を発表するという自院研修を行うことになっている。年明けの1~2月は、主に研究期間となっており、医療安全に関連した研究を実施して、3月にその研究結果を発表し、同時にその内容を研究論文にまとめて提出し、修了となる。
今回、過去5年間に修了した86名の受講者が実施した研究内容を総括して、本研修の将来展望を行った。研究内容は、本研修の開講当初は、医療安全システム構築に関するものが多かったが、最近は、質管理に関する内容が研究主題として挙げられることが多い傾向にあった。危機管理、医療安全教育、分析手法に関する研究は、増減はあるものの、常に研究課題として取り上げられていた。
本研修は、約6ヶ月に渡る長期研修のため、口常勤務の調整が難しく、参加しにくいということはあるが、医療安全に関する様々な知識・技術の獲得が可能であり、自院研修を通して、自院における医療安全の現状把握や、自ら決めたテーマで研究も実施可能な研修である。

著者関連情報
© 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top