日本医療マネジメント学会雑誌
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カルボプラチンを含む化学療法のオール・イン・ワン型クリティカルパスシステムの作成
米井 敏郎
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2008 年 9 巻 2 号 p. 354-358

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抄録

今日クリティカルパスの多くは、スプレッドシート型表計算ソフトで作成されているが、そのほとんどはスプレッドシートを単なる印刷用ツールとしてしか使用しておらず、スプレッドシートのもつ多様な機能のほんの一部しか利用していない。例えば、あるクリティカルパスの年間の使用件数が知りたいという要求に即座に応えられるファイリング機能を組み込んだクリティカルパスは日常臨床において有用と考えられる。エクセルのプログラミング機能を利用し、クリティカルパスの印刷機能に加え、患者ID、患者名、スタッフ名等のデータファイリングを簡単に行うことができる仕組みを考案した。カルボプラチンとイリノテカンによる化学療法用クリティカルパスをそのプロトタイプとし、化学療法の副作用発現時期を示すシェーマや説明と同意文書等も組み込みオール・イン・ワン型のクリティカルパスを作成した。ワークシートの1頁目が入力画面となっており、実際の運用においてはこの頁しか使用しない。入力画面の右側にクリティカルパスの閲覧、印刷、ファイリング等のためのボタンを配置し、必要項目を入力するだけで、カスタム・メイドのクリティカルパスシートを出力可能とした。このクリティカルパスの使用件数はファイリング機能により一目瞭然、となった。このクリティカルパスを使用することにより、入院から退院までの包括的なサポートが可能となった。

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