日本医療マネジメント学会雑誌
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保険点数減算に対する当院検査課の取り組み
笠井 久豊
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2009 年 9 巻 4 号 p. 552-557

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抄録

2004年4月に診療報酬改正が行われ、当検査課においても約10%の減収となった。そこでわれわれは、支出削減と収入増加を目指し、以下に挙げる3点にっき取り組んだ。1) 生化学検査項目のセットを見直した。10項目以上の生化学検査は包括となるため、内科系のスクリーニングセットの生化学検査を18項目から16項目に削減した。そして冠動脈検査用クリティカルパスのなかに組み込まれている採血セットを変更した。2) 診療報酬減点項目であるフィブリン分解産物を外科および脳外科の入院時のスクリーニングセットから削除した。3) これまで外注検査であったフェリチンおよびグリコアルブミンを院内検査に変更し、至急検査 (診療前検査) 項目として運用した。これらすべての取り組みを合わせると1年間で約166万円の収支改善効果が認められた。
これらの取り組みにより、試薬コストを抑えることができ、また外注検査を院内検査に変更することで、至急 (診療前) の結果報告を可能にし、患者サービスの向上に寄与したと考える。これからも臨床側と協同し、より良い採血検査セットの設定ならびに検査項目の運用をめざしたい。

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