2006 年 3 巻 p. 55-62
岡山大学におけるスポーツ実習において、必修として受講している学生と、選択として受講している学生間のスポーツ実習に対する意識や態度の相違を明らかにしようとした。
調査の結果以下のようなことが明らかになった。
選択で受講している学生は男子でスポーツ・サークル加入者、無所属の者、女子で文化部所属者が比較的多く見られた。また、中・高時代に運動部経験をした者が多く、運動好きの者が多くみられた。
選択の学生で受講に当たって最も意識したものは運動・スポーツの魅力項目である。特に男子学生にその傾向が強かった。
実際に授業を受けて得たものとして最も多かったものは、必修・選択両学生とも「楽しくスポーツができる」で、次に人間関係、そして精神的充実の項目であった。
人間関係では必修の学生に「友達を何人か得た」、「友達とより親しくなった」と言う者が多く、また、「体力が向上した」と言う者は選択の学生に多く見られた。その他の項目は両者に差は見られなかった。
今後の課題は、楽しく授業を行う中でいかに健康、体力増進、スポーツ理論等を習得させるか、と言う事と、選択学部での学生のニーズに合った種目の提供や授業方法の工夫であろう。