2009 年 6 巻 p. 33-42
本研究では,大学生384名(男子157名,女子227名)を対象に,SAQ関連体力を評価するための妥当性のある測定項目と,その評価基準を検討することを目的とした。また,過去の運動経験との関連性についても検討し,SAQ関連体力に対する運動の実践,継続の重要性についても検証した。その結果,各SAQ関連体力は相互に関連しており,運動様式そのものは異なるが同じラダートレーニング種目であるクイックランとダブルレッグジャンプ,切り返しの有無が異なるが同じ走種目で測定時間が同様のプロアジリティと30m走,横方向への素早い動きが要求されるエドグレンサイドステップと前後左右への方向転換を伴うヘキサゴンドリル,脚の筋パワーを反映するカウンタームーブメントジャンプと30m走の相関関係は高値を示した。SAQ関連体力を評価する場合,必ずしも本研究の測定項目全てを測定する必要はなく,授業の対象者数,場所,さらには競技特性などを考慮して選択実施が可能なことが示唆された。 また,本研究で測定したSAQ関連体力は過去の運動経験と関連が深く,特に運動を継続していることが重要であることを確認した。本研究成果を元に,大学体育実技で活用できる男女別SAQ関連体力テスト評価表を作成した。