2009 年 12 巻 3 号 p. 167-173
脳卒中166例を対象に,異常感覚の有無を確認した上で,11項目の感覚検査,SEP検査を実施した。SEP波形は中潜時波形障害度分類を用いて3段階に分類し,そのうち良好型に分類された波形は,さらに3つの型に細分類した。そして,各種感覚障害との関係について検討した。その結果,1.SEP中潜時波形障害度分類と内側毛帯系感覚との相関は高かった。2.毛帯外路系感覚でも識別的要素が含まれる検査の場合,内側毛帯系が関与する可能性があると考えられた。3.SEP良好波形の細分類は,失語症や高次脳機能障害を有する脳卒中患者の客観的な感覚機能評価法として有用であると考えられた。