日本保健科学学会誌
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家族凝集性と老親扶養意識が介護の社会化意識に与える影響 : 東アジア圏域の日本と中国東北地域の比較
太湯 好子實金 栄桐野 匡史竹田 恵子高井 研一中嶋 和夫
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2010 年 13 巻 1 号 p. 31-41

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抄録
目的:日本と中国の大学生と親のデータを基礎に,家族凝集性と老親扶養意識が介護の社会化意識に及ぼす影響を検討した。方法:日本(大学生636人,親368人)と中国(大学生480人,親473人)を対象に構造方程式モデリングを用いて介護の社会化意識の因果関係モデルを検証した。結果・考察:日本,中国ともに因果関係モデルへの適合度はおおむね良好であり,統計学的に支持された。日本では,介護の社会化意識は家族凝集性,手段的扶養意識,情緒的扶養意識と負の関連性を認め,老親扶養意識の低さは介護の社会化意識を高めていた。中国では,介護の社会化意識は手段的扶養意識と負の関連性を認めた。両国ともに老親扶養意識は大学生が親より高く,日本の親の手段的扶養意識は最も低く,介護の社会化意識は最も高かった。両国ともに,介護の社会化意識に家族凝集性が手段的扶養意識を介して関連をするという因果関係が成立した。
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2010 日本保健科学学会
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