抄録
コミュニケーションは看護技術の一つであり.専門的知識の伝達や心地よい看護を提供するために,意図的または創造的にあらゆる看護実践の場で用いられる。特にこのコミュニケーション技術は,看護の様々な側面の中で患者の抱える「問題の早期発見」,「問題の予防」という局面で力を発揮する.本稿では「問題の早期発見」に用いられるコミュニケーション技術に焦点をあて,在宅で生活する重症心身障害児の母親が抱える問題を,外来に勤務する看護師がどのように把握していくのか,一人の看護師の実践プロセスを紹介する。そして,その実践から看護師特有のコミュニケーション技術と,卓越した技術について考察する。